ラフの次はレイアウト。8割はここで決まる!
紙とペンでの考える作業、ラフデザインが完成しました。ここからはPowerPointを使っての作業になります。ラフデザインの中でレイアウトはある程度決まっていると思います。さらに実際の書体や写真を置くことでイメージが違って見えると思います。
この工程とラフデザインの工程は密接に関わっており、レイアウトのスキルが高くなると同時にラフデザインの精度が上がってきます。それはライフデザインの段階でどんなデザイン、レイアウトになるか想像がつくようになるということです。
レイアウト作成はモノクロで
紙に書いた設計図に沿って、PowerPointを使い文字や図形、グラフや写真素材などを配置していきます。ただし、ここでは色を付けることはしません。配色は次の工程、レイアウトが終わってから行います。
白と黒とグレースケール
正確には白と黒も色になりますが、ここでは白、黒のモノクロでレイアウトをしていきます。2階調では表現しきれない部分を中間のグレーを使います。例えば文字は基本黒でレイアウト、板などオブジェクトの上に文字を乗せる時は、文字を白抜きにして板を黒又はグレーにします。
モノクロ、シルエットで伝わるデザイン
なぜモノクロでレイアウトをしていくのか、ラフデザインの段階である程度完成のイメージが付いていれば、すぐにでも色を置いていきたくなると思います。しかし、レイアウトと配色を同時にするのはとても難易度が高い作業になるのです。
もちろんデザインに慣れた方でしたら同時に行ってもよいでしょう。そうでなければ別々に作業することをおすすめします。理由としては後述するレイアウトの役割と配色の役割を分けることにより、分かりやすくデザインし易くするためです。
例えばメリハリをつけたいとき、本来レイアウトの作業で文字を大きくするべき所を配色でメリハリをつけてしまうと、双方が混同してしまい情報の優先順位が付きにくく、曖昧になってしまいます。
まずは文字やオブジェクトの大きさでメリハリをつける、さらに配色で同じ大きさの文字に強弱をつける。レイアウトと配色を分けて考えることにより、よりスムーズに作業することができます。
また、最終的なアウトプットがカラーではなく白黒印刷となった場合も、しっかりとレイアウトがされていれば、本来の意味合いを伝えることができます。良いデザインはシルエットでも伝わります。
まずはメリハリ、情報の優先順位をはっきりと
レイアウトはPowerPointで表示した白紙のシートのうえに、文字や画像などをひと通り並べるところから始めます。
変化は大きくハッキリ付ける
レイアウトが進んでから内容を追加するのは、他とのバランスを取るのが手間になってしまいます。ラフデザインの段階で、そのデザインに入れると決めていた素材は全て画面上に置いてしまいましょう。
ひと通りの素材をそろえたたら、始めにレイアウトでするのはメリハリをつけることです。タイトル、本文、コピー、注釈などそれぞれ優先順位の違う情報があります。その優先順位の順に大きさを変え、優先度の高いタイトルなどは大きく、本文はもう少し小さく読みやすい大きさにします。
それ以外のテキストも本文より優先度の高いものは大きく、入ってれば良い注釈などは小さく配置します。重要なことは、このメリハリはハッキリつけること。そのデザインを作っている本人には微細な変化も感じ取ることができますが、初見で見る人、受け手には微妙な差は分かりません。
これは配色にも言えることですが、大きくするもの小さくするものはハッキリと違いが分かるように差をつける。傾けたり角度を変えるものは、ハッキリと傾いていることが分かるように回転させます。
フォントは決めうちでOK、いつも使うものを選んでおく
PowerPointで設定できるフォント(書体)は使っているOS、WindowsかMacやバージョンの違いによりあらかた決まっており、一覧すれば選びきれないほど多くのフォントがあります。迷った挙句、見づらいものイメージと合っていないフォントを選択しまっていることもあるかと思います。
明確な意図をもって選ぶのでなければ、普段使いのフォントについては決めうちでOKです。使うのはメイリオ。少し幅の狭いMeiryo UI。この二つのフォントだけ覚えておけば大丈夫。タイトルや目立たせる文字にはBold(太文字)指定をして、それ以外はそのまま適切な大きさで使いましょう。
デザインの幅を広げたい、もっとイメージにマッチしたフォントを使いたい。そんな方は別途フォントの選び方について解説記事を書きましたので、そちらを読んでみて下さい。
整理整頓とグループ化で理解しやすいレイアウト
優先順位ごとにメリハリをつけることができたら、今度はどこに配置するのか位置を決めます。基本は、その情報をどの順番で読んでほしいのかです。そのデザインを見た人は、この文章を読んでいる皆様と同じ左から右へ、上から下へ見ていきます。
情報ごとのまとまりを作ってわかりやすく
レイアウトの作業でも初めに見てもらいたいものは上のほうに、左から優先順位を高くしてきます。もちろん毎回同じではデザインの幅も、面白みも無くなってしまいます。まずは基本の理解があっての外しです。基本を理解したうえで、変化を持たせると良いでしょう。
また、情報のグループ化も重要なレイアウト作業です。同じ区分の情報同士を近づける、別の情報であれば少し離して違うものだと認識させます。並べて、近づけて、離してと段々とレイアウトが形になってきたでしょうか。
見えない線を意識して揃える
レイアウトをするときに意識するとパチッと決まりやすくなるのが、見えない線です。特にガイドライン、枠線を引いているわけでもないのに、レイアウトしたオブジェクトが綺麗に並んでいる。そこに見えない線が存在するように意識して並べることでスッキリとレイアウトが決まります。
綺麗に並べて、隙間も魅せる
綺麗に並べて同じ形状が複数連なっている場合には、複数の隙間が同じ間隔になるように並べます。とても細かい部分ですが、今まで意識せずデザインしていた方は見直してみてください。些細な違いかもしれませんが、デザインの質はグッと上がります。
余白をたっぷりとって見やすいレイアウトに
PowerPointで作ったプレゼン資料などのデザインに共通して見られるのが、隙間無く情報がギッチリ詰まったレイアウトです。天地左右の空きはどのくらいあるでしょうか、用紙の端まで文字で埋まっていることはありませんか?
天地左右の余白はしっかりとる
この余白もとても重要です。天地と左右それぞれ同じだけスペースを作ってください。もし参考にするものが欲しければ、身の回りにある印刷された広告などを見てください。
印刷物にはそもそも印刷可能範囲がありますし、印刷後に断裁したものだとしても文字やオブジェクトを入れる範囲は少し内側に入れて作ります。
ラフデザインの段階まで戻るような話ですが、もし余白が取れないくらいの情報量が有る場合、1枚に入れるべき情報量を超えてしまっているかも知れません。その場合には取捨選択又は、ページを分けるなど再考の余地があります。
オブジェクトの境界に気を使う
余白や配置したオブジェクト同士の隙間もそうですが、物と物が接する場所に気を使い丁寧にデザインする。プロのデザイナーとそうでない方が作るデザインの違いがそこにあります。境界に気を使うだけで高い質のデザインが出来上がるでしょう。