ラフデザインからはじめよう、良いデザインの設計図作り

ラフデザインからはじめよう デザインの基本

デザインの取り掛かりは設計図を作るところから。いざプレゼン資料や企画書、チラシなどデザインを作るときにいきなりPowerPointを起動して作り始めていませんか?良いデザインにするためは作る作業の前に考える作業から。紙とペンでラフデザインを作るところからはじめます。

ソフトを起動するその前に、紙とペンから始めよう

もしあなたが紙とペンと同じレベルでPowerPointを使いこなせるならそのまま続けてOKです。しかし大半の方は子供のころから慣れ親しんだ紙とペン(鉛筆)のほうが使い慣れていますよね。

まずは考える作業から。使い慣れたツールがいちばん

デザインをつくるときにもいきなりソフトを起動して作り始めるようなことはしません。絵を書く時のデッサン、家を建てるときの設計、同じようにデザインをするときにもラフデザインを制作物の設計図としてまずは作ります。

パワポを使って考えるのは難しい?

考える作業は自分の頭の中にあるものを整理して、デザインとしてアウトプットするための材料をひねり出し、どのように構成するか考える作業です。ですので、できるだけ思考を妨げる必要のないように、ごくごく当たり前の使い慣れた道具、紙とペンを使って行います。

パワポを使って考えるのは難しい?

結局最後は同じなんだから、初めからPowerPointで考えた方がいいと思う方もいると思います。ですが、それはとても難易度を高くしてしまう行為なんです。デザインそのものを難しいと感じているならば、できるだけ難易度が低い方法を採用したほうがいいですよね。

PowerPointやイラストレーターなどのアプリケーションはとても便利なツールです。好きな書体をレイアウトし、自由に配色することができます。とても多機能でおおよそどんなものでも作ることができるでしょう。

しかし機能が豊富なあまり手足のように使いこなすにはそれなりのトレーニングが必要です。そのため、考える作業にアプリケーションを使うと自身の操作スキルに依存してしまい、表現の範囲を狭めたり思考の邪魔をしてしまいます。

頭の中にあるデザインの素材や伝えたい、表現したい内容を自由に構築できるよう、手足のように使うことができる紙とペンを使って考えましょう。

何を入れようか、デザインを構成する要素いろいろ

それではさっそく考える作業に入っていきましょう。始めに、今から作ろうとしているデザインのゴールを明確にします。作ろうとしているのはプレゼン資料でしょうか、それとも広告でしょうか。サイズは手元で見ることができるA4サイズ?それとも駅張りのポスターのような大きなものでしょうか。

このデザインのゴールは?必要な素材は??

このデザインのゴールは?

作るデザインの種類、サイズ、紙なのか映像なのか。そのデザインを手にする人、見る人はどんな状況で閲覧するのかによって考えるべきことが決まってきます。

さらにそのデザインを見た人に次にどんな行動を起こしてほしいのか。プレゼン内容を理解、承認してほしいのか。そのデザインのブランドを認知、さらにはシェアしてほしいのか。お店の広告であれば、そのデザインを見て実際にお客様に足を運んでもらいたいのか。

まずは「種類」「形態」「対象者」「訴求内容」など洗い出して、書き出すところから始めてください。もちろんまだ絵にする必要はありません。箇条書きなどのテキストでOKです。

お任せが一番難しい。ヒアリングから選択肢を減らす

自分の内側から出てくる発想やアイデアからデザインする。それ以外にも場合によっては、上司や同僚、クライアントからヒアリングした内容を元にデザインすることもあると思います。

お任せが一番難しい。

その場合には先に挙げた用件のヒアリングから行います。この時に出来るだけデザインの難易度を下げるコツは「根掘り葉掘り聞くこと」です。お客様なりの要求を出来るだけ聞き出します。逆に、もう信頼をされて「お任せ」というパターンがあります。

実はこの「お任せ」というのも曲者で、とても難易度の高い依頼になります。クライアントとデザインの作成者である自分との間に、ツーカーの信頼関係が存在する場合には問題はさほど大きくありませんが、そうでない場合に「お任せ」というオーダーから、クライアントの「思ったとおり」というデザインを作り出すのは至難の業です

オーダーがお任せとなってしまうと、いかようにもデザインをすることが出来てしまいます。そのパターンは無限に存在します。逆に難易度を下げ、作りやすいデザインは徹底的にヒアリングすることで作ることができます。

根掘り葉掘り要望や要件を聞き出すことで、ヒアリングできた内容からはこのデザインになる。そこまで聞き出すことができればもうクライアントの想像通り、思ったとおりのデザインが出来上がります。ヒアリングはしっかりと行い、出来るだけ選択肢を減らしましょう。

ラフの基本は絵コンテ。字コンテでもOK!

デザインに盛り込む内容がひと通り出揃ったところで、実際にラフデザインを書いていきましょう。タイトルになるような重要な情報を大きく、それ以外の情報も優先順位を大きさで変え、紙の上に出来上がりをイメージしながら書いていきます。

ざっくりサムネイルで思いつくだけ書き出す

もちろん始めから明確な完成形をイメージするのは難しいですよね。ですから始めはアイデアが出る限り複数のパターンを書いていきます。サイズは自由ですが、私は名刺よりも少し大きいくらいのサイズで沢山書いていきます。ちょうど絵コンテを描いているようなイメージです。

アイデアが出る限り複数のパターンを書く

その絵コンテを出来ればたくさん、多くのアイデアを一覧できるように大きな紙の上に書いていきます。私が良く使うのはB4サイズという少し大きめのクロッキー帳です。出るだけのアイデアを一覧できるように並べ、その中から良いとこ取りをしつつ煮詰め、一つの採用案を作ります。

採用案を具体的に、理想は誰でも作れるように

ある程度取捨選択が済んだら、細かい部分まで具体的に書けるよう少し大きめのサイズで最終案を書きます。どのぐらい具体的に書くかは、自分以外の人がそのラフを元に同じデザインが作れるレベルです。

絵が得意でない、上手く書くことが出来ない場合には文字で説明として書いてもOKです。少し忘れたころに見返しても同じイメージで作れるように、自分以外が途中から作っても同じ仕上がりになるくらい具体的に書きます。

良い表現が浮かんでこない、そんな時はインプット

いかがでしょうか、ラフデザインは書けましたでしょうか。良い絵、表現が浮かんでこない、どんなレイアウトにしたらいいかわからない。そんな時は一度手を止めてインプットをしてみてください。

アウトプットの質と量は、インプットを増やすことから

アウトプットの質と量は、インプットを増やすことから

インプット=いろんなデザインを見るということです。今から作ろうとしているものは過去だれも作ったことが無い、初めてこの世に誕生するものでしょうか。おそらくそんなことは無く、同じテーマだったり方向性のものは既に誰かが作っていると思います。

デザインは発明ではありません。過去様々なデザインが生み出されています。まったく同じ原稿でなくとも、似た方向性のもの。同じ目的の達成のためにデザインされたものが既に存在しているはずです。

もちろんそのままコピーしてくることは出来ませんし、エッセンスだけ取り入れようとしても始めは取ってつけたようになってしまうと思います。それでも繰り返し、タイトルはどのようにレイアウトしているのか、コピーの適切な表現の方法はどうかなど探してみてください。

それら参考になる、良いデザインがどういった考えの元デザインされているのか。そこを想像し、考えることでデザイン力が向上していきます。あれこれ考えるよりも、インプットの量を増やし、沢山のアイデアをラフデザインとしてアウトプットしてみてください。

色々あるデザインのネタ探し

最後にデザインのネタ探しについて少し触れておこうと思います。ネタ探しについては様々方法がありますで、別途詳しく記事にしたいと思います。

デザインのネタ探し

大きく分けて二つ、インターネットを使ったネタ探しとリアルでのネタ探しがあります。情報化社会の今デザインのアイデア、ネタをインプットできるチャンスは山のようにありますので、ぜひ活用してみてください。

インターネットを使ったネタ探しとしては、検索エンジンでのキーワード検索と画像検索、RSSやブックマークサイト、PinterestやインスタグラムなどのSNSの活用があります。

リアルでのネタ探しは、身の回りにある無数の広告やポスター、製品パッケージ、テレビや映画などメディアの映像、書店にある書籍や雑誌などです。

繰り返しになりますが、インプットは量が重要です。日々多くのデザインに触れることでインプットの精度が上がっていき、重要なエッセンスを抽出して自分のデザインに取り入れることができます。そして一つ一つをどんな意図でデザインされたものなのかを考えながらインプットしてみてください。

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