PowerPointで色を着ける方法いろいろ

色を着ける方法いろいろ PowerPointの操作方法

PowerPointでは主に、文字と図形の塗りと枠線といった3箇所へ自由に着色することができます。

新規にファイルを作り、文字を打ち込むと黒が標準設定の色として適用されます。図形を作った場合にも、初期設定の塗りつぶし色と枠線の色が青系の色で適用されます。

デザインにおいて、色を着けることは非常に重要なポイントです。ここでは基本的なオブジェクトへの着色方法から、デフォルトで用意されている色以外の、使える色の作り方まで取り上げたいと思います。

文字と塗り、枠線に共通の色設定

まずは文字の色を変更する方法、図形の色を変更する方法のうち、両方に共通の色設定の方法から確認していきましょう。

文字オブジェクトへの色設定

文字オブジェクトを選択した状態にすると、ホームタブのフォントの項目が使える状態になります。その中の右下にある「フォントの色」を押すことで色の設定ができます。

フォントの色メニューにはAの下に色が付いた横棒があるボタンと、その右側に▼マークがあります。Aのボタンは最後に着けた色と同じ色を、再度別の文字に適用するときに使います。

文字オブジェクトへの色設定

▼を押すと新しく別の色を使うことができます。クリックすると出てくるのがテーマの色、標準の色、その他の色の3項目です。

テーマの色

テーマの色は、デザインタブで設定しているテーマによって表示される色が変わります。特になにも設定していない場合にはOfficeのテーマが初期設定となっているので、白と黒に加えて7色の落ち着いた色が明度を変えて選択できるようになっています。

テーマの色

標準の色

標準の色は、10色の混ざり気のない色を選択することができます。強調するための色として、赤や黄色を使う場合や、新たに色を作るためのベースとなる色相を選択するときに使います。

標準の色

その他の色

その他の色は、さらに標準とユーザー設定といった2つのタブのある色の設定ウィンドウが現れ、さらに広い範囲から色を着けることができます。

その他の色

標準

標準タブではハニカム(蜂の巣)状に並んだ色の見本が、有彩色と無彩色に分かれて並んでいます。右下では選んでいるオブジェクトに設定されている現在の色と、新規に選択した色を比較できるようになっており、色が決まったらOKボタンで適用できます。

その他の色-標準タブ

 

ユーザー設定

ユーザー設定ではRGBHSLという2種類のカラーモデルを使い、数値を指定してフルカラー(1677万色)で色の指定をすることができます。

上部には色相と彩度を組み合わせた色見本と、そこで選んだ色の明度の調整バーがあり、ある程度直感的に色を選ぶこともできます。

RGBカラー

赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3色をそれぞれ0から255までの256段階の組み合わせにより色を作ります。RGBはテレビのモニタなどで使われる形式で、RGB全ての値が0だと黒。逆に全ての値が一番多い(255)だと白くなります。

ユーザー設定-RGBカラー

初めから数字入力で使いたい色を作るのは難しいので、上部のパネルでざっくり選んだ後に数字で微調整したり、別のRGB値の入った色見本などから数字を持ってきて入力します。

HSLカラー

あまり聞きなれないHSLカラーモデルは、Hが色合いを示すHue(色相)、Sが鮮やかさを示すSaturation(彩度)、Lが明るさを示すLightness(輝度)という3つの成分から成り立っています。

ユーザー設定-HSLカラー

色の作り方としては、色合いを決めておき、鮮やかさと明るさで調整をするとイメージ通りの色を作ることができます。鮮やかさを無くしていくとグレーに近づき、明るさを加えると白、無くしていくと黒に近づいていきます。

図形オブジェクトの塗りつぶしと枠の色設定

図形オブジェクトでは、塗りつぶしと枠線の2箇所への色設定が可能です。設定はホームタブの図形描画欄の右側、「図形の塗りつぶし」「図形の枠線」から行います。

塗りつぶしと枠の色設定
枠線が必要ない場合には、図形の枠線メニューから線なしを選びます。同様に、図形の塗りつぶしから塗りつぶしなしを選ぶことで、枠線のみの図形にするこことも可能です。

文字と図形の着色機能の違いは透過が使えること

基本的な色の設定方法は文字も図形もほぼ同じです、図形の場合には後述する固有の色設定の方法に加えて、透過効果を扱うことができます。図形の不透明度を変更してオブジェクト自体を透かせることができます。

文字の透過

適用するには、塗りつぶしと枠線共に「その他の色」から色の設定パネルを開くと、下段に透過性の欄があり、バーを左右に動かすか表示されている数値を変更してOKボタンをクリックします。

枠線は色以外に太さとスタイルの設定が可能

枠線には色のほかに太さと線種を設定することができます。図形の枠線メニューから太さの項目にカーソルを置くと、0.25から6までpt(ポイント)単位で任意の太さを選ぶことができます。

枠線のスタイル

太さはデザインの他の要素との兼ね合いで調整をすると思いますので、ポイントはそれほど気にせずに今設定されている太さよりも細くするか、太くするかで決めると良いでしょう。

太さの項目の下にある実線/点線の項目で実線と破線を切り替えることができます。破線にはよくある点線以外にも幾つか種類がありますので、カーソルを動かして表示されるプレビューを見ながら適用してください。

文字オブジェクトにも塗りつぶしと枠線の設定がある

実は文字オブジェクトにも塗りつぶしや、枠線を適用することができます。通常の文字オブジェクトは塗りつぶし無しで、枠線も無しという状態の長方形に文字が入力されている状態です。

文字の塗りつぶしと枠線

文字オブジェクトに塗りつぶしを適用することで、板の上に乗せた文字を表現することができます。また、枠線のみを適用すれば文字を矩形で囲むことができます。

塗りつぶしを透過させて、半透明にすることもできますし、枠線の線種を変えて点線で文字を囲うこともできます。

文字の場合には余白の調整も忘れずに

テキストオブジェクトに塗りつぶしや枠線を適用するときに気をつけていただきたいのが、枠内の余白です。よく使うフォントであるMeiryo UIとメイリオのサンプルを比べてみましょう。

余白の調整も忘れずに

文字が矩形のちょうど中央に来るように、段落の設定で左右中央揃えの上下中央にすると、Meiryo UIのほうはちょうどボックスの中央に文字がくるようになりますが、メイリオの場合には文字が上に寄ってしまいます。

余白の調整方法

解決方法としては、ホームタブの段落欄にある文字の配置ボタンをクリックし、その他のオプションを押して出てくる、文字の効果の設定ウィンドウのテキストボックスの項目で、内部の余白を調整します。上に寄ってしまっているので、下を0cmとして空いた下の余白分を上にも設定します。

別々に用意して重ねる

もし内部の余白を0cmとしたときよりも狭くしたい場合には、文字と背景の板を別のオブジェクトとして、塗りつぶしと枠線を無しにしたテキストと、下に置く板を図形ツールで別々に用意して重ねます。

塗りつぶし固有の設定

続けて塗りつぶしにある固有の設定を確認していきましょう。

写真のトリミングに使える、図での塗りつぶし

少し違和感のある表現ですが、図形の塗りつぶしを写真やイラストなど外部ファイルから入力する図でおこなう、図で塗りつぶすという機能があります。

図で塗りつぶす

これは任意の図形の形状で、配置した図をトリミングすることと捉えていただければ良いと思います。通常図を配置する場合には、矩形の状態で配置されます。

円形や星型など四角形以外の形状で配置するには、透明の領域を含んだPNG形式の画像を用意する必要がありました。それを、任意の図形を使って実現するものです。

図で塗りつぶすの使い方

使い方は図形を選んだ状態で、図形の塗りつぶしメニューから図を選択します。画像ファイルを選択するウィンドウが表示されるので、あらかじめ用意しておいた画像を選択します。

すると画像の縦横比を維持した状態で、図形いっぱいに画像が広がるようにトリミングされます。もし画像全体が表示されるようにしたい場合には、図形を選択していると表示される図ツールの書式タブからトリミングメニューの「枠に合わせる」を選択すると、画像の長辺が全て図形に収まるようにトリミングされます。さらに配置した図を自由に拡大縮小、移動して調整ができます。

使いどころが難しい、テクスチャの設定

図での塗りつぶしのように、外部から画像を読み込むのではなく、既に用意されば画像を質感として与えるのがテクスチャです。

テクスチャの設定

図形を選択した状態で、図形の塗りつぶしメニューの中から「テクスチャ」にカーソルを持っていきます。すると右側にテクスチャの一覧が現れ、クリックすることでそのテクスチャが適用されます。

テクスチャは布、紙、岩、木など具体的な素材の模様イメージになっており、文字を置くための板などへ質感を与えるのに適しています。

ただし、使用には少し注意が必要です。それはテクスチャを使うときには、適用するオブジェクト自身の面積がある程度必要で、面積の小さいオブジェクトに適用した場合には、その質感が何を表しているのかが分からず、ただ見づらいだけのデザインになってしまいます。

グラデーションの設定方法と使いどころ

次に、使いどころが多く正しく使えばデザインの強力な武器となるグラデーションについてみていきましょう。

迷わず「その他のグラデーション」グラデーションの設定方法

図形を選択した状態で、ホームタブの図形描画欄にある図形の塗りつぶしメニューからグラデーションをたどります。

グラデーションの設定方法

グラデーションメニューにカーソルを乗せると、天地左右斜め中央といった、どこからグラデーションをかけるのかのプレビューが表示されます。

ここにあるのは淡色と濃色それぞれのバリエーションといった、今図形に付いている色から白へ、もしくは黒へのグラデーションのサンプルです。

使いたいグラデーションがここに表示されるのはあまり無いと思いますので、迷わず一番下にある「その他のグラデーション」を選び、オリジナルのグラデーションを作りましょう。

オリジナルグラデーションの作り方

「その他のグラデーション」を選択すると、「図形の書式設定」ウィンドウが表示されます。選択している図形がグラデーション以外だった場合には、「塗りつぶし(グラデーション)」にチェックを入れてください。

すると最後に使ったグラデーションの設定とともに、各種グラデーションに必要な設定項目が出てきます。

オリジナルグラデーションの作り方

上から、「標準スタイル」には虹や夕焼け、クロムやゴールドなどのプリセットがあります。グラデーション作りの参考にしてください。

「種類」はグラデーションの掛かり方です。よく見るグラデーションは線形で、端から端まで直線的なグラデーションになります。それ以外には、円形に広がっていく放射、四隅と中央から四角形の形で掛かる四角。図形の形状に沿って掛かるパスがあります。

「方向」は左から右なのか、上から下なのか、グラデーションの掛かる方向をプレビューを見ながら設定することができます。その下にある「角度」も連動していて、刻みが45度よりも小さい場合には数値を直接指定します。

「グラデーションの分岐点」で実際にグラデーションを作成します。好きな位置に、好きな色の分岐点を置くことでグラデーションになります。

線上をクリックするとそこに分岐点が追加され、分岐点の追加ボタンでは、現在選んでいる分岐点ともう一つ(基本は右側)の分岐点との中間地点に分岐点を追加します。それぞれ、その位置の色が分岐点の色となり、後から自由に変更できます。

「明るさ」は選択中の分岐点の明暗を変更することができますが、「色」の設定と混同しやすいため、「明るさ」ではなく「色」で直接変更しましょう。

「透過性」はその分岐点の不透明度を変更することができます。この不透明度を変更することにより、徐々に消えていくグラデーション(オブジェクト)を作ることができます。

デザインのアクセントに。グラデーションの使いどころ

色の変化を大きくしたグラデーションで、コントラストの高いグラフィックにしたり、同系色で緩やかなグラデーションを作り、平坦なデザインに少しニュアンスを出したりすることができます。

グラデーションの使いどころ

透過と光彩、ぼかしと影の使い方

最後に、効果寄りの機能として「透過」「光彩」「ぼかし」「影」についても確認しておきましょう。どれもここまで見てきた着色とあわせて使うことで大きな威力を発揮します。

透過効果の設定方法と使いどころ

図形の塗りつぶしと図形の枠線それぞれで、その他の色を選択して色の設定ウィンドウを出すと、一番下に透過性を調整するバーと%での数値入力欄があります。ここで透かし度合いを調整することができます。

透過効果の設定方法

%を大きくしていくと透明に近づいていき、100%でまったく見えなくなります。使い方としては、PC操作画面のスクリーンショットなどに、目立つ色を付けたオブジェクトを透かして重ねることで、どの部分に対しての説明かをより分かり易く表現することができます。

また、グラデーションを適用したオブジェクトに対して、分岐点ごとに透過性を変更することが可能です。それを利用することで徐々に消えていくグラデーションを作ることが出来るので、写真が自然に背景に溶け込む表現を作ることもできます。

自然に馴染ませて、引き立てる。光彩の使い方

暗い色、濃い色の背景に明るいオブジェクトや文字などを重ねるときに、その周りに発光したようなぼかしを付けることで自然に背景に馴染ませたり、浮かび上がらせたりして印象的な雰囲気を作り出すことができます。

光彩の使い方

光彩を適用するには、図形を選択した状態でホームタブ内の図形描画欄の右下にあるダイアログボックス表示ボタンから、図形の書式設定を表示させます。左側に並んでいる項目から「光彩とぼかし」を選択して、右側にされた光彩欄の色とサイズ、透過性を調整して適用します。

標準スタイルからは光彩のプリセットを選ぶことが出来るので、こちらをベースに調整してもかまいません。

図形ではなく文字に対して光彩を適用したい場合には、文字オブジェクトを選択した状態で表示される書式タブ内の、ワードアートのスタイル欄右下のダイアログボックス表示ボタンから、文字の効果の設定を表示させます。左側に並んでいる項目から光彩とぼかしを選択して適用できます。基本的な使い方は図形の場合と同じです。

上手く使えば効果絶大、ぼかし効果の使い方

光彩はオブジェクトの外側にぼかした効果を与えます。それに対してオブジェクト自身の境界を加工するのが「ぼかし」です。

ぼかし効果の使い方

このぼかしを使って写真の輪郭をぼかす効果を作ってみたいと思います。まず、画像のサイズと同じサイズの図形を用意するために、ぼかしたい画像を配置します。配置した画像を選択すると書式タブが表示されます。一番右側のサイズ欄にある高さと幅を確認して、同じサイズの図形を作ります。

図形は適当な大きさで一旦作り、書式タブでサイズを調整します。画像と同じ大きさの図形が出来たら、配置した画像は一旦削除しておきます。

次に図形を選択し、ホーム画面の図形描画欄右下から図形の書式設定ダイアログを出し、光彩とぼかしを選び、ぼかしのサイズを調整します。そのまま左の一覧から塗りつぶしを選び、右側のチェックを塗りつぶし(図またはテクスチャ)に変更します。

右側中段にある図の挿入>ファイルのボタンをクリックして、使いたい画像を選択します。するとぼかした図形の形通り、輪郭をぼかした写真にすることができます。

また、輪郭ではなく画像そのものをぼかす場合には、図の書式設定の左側の項目で「アート効果」を選択し、アート効果の中からぼかしを選択し、半径の数値でぼかし具合を調整します。

影の設定方法と注意点

最後に影の作り方と使うときの注意点を確認しましょう。図形から影を落とすときには、やはり図の書式設定左側の一覧から影を選び、標準スタイルを変更して影をつけます。

そのままの影だと少し野暮ったいので、ぼかしの量や透過性、距離などを調整します。

影の設定方法

影も標準スタイルにあるプリセットを使用すると、簡単に適用することができますが幾つか注意点もあります。

まずは、狭い領域に影を落とさない、細かいオブジェクトに使わないこと。狭い領域だと影があることで隙間が消えてしまい見づらくなります。また、文字など細かいオブジェクトの場合にも、隙間が消えてしまい文字の認識がしにくくなります。

影を使うときの注意

また、不自然な角度に影を落とさないことも重要です。一枚のデザイン上では角度を統一すること。影が存在するには光源が必要ですが、角度が違うと光源の位置のつじつまが合いません。

長くなりましたが、以上がPowerPointでの色の着け方とその周辺の効果の使い方になります。作りたいイメージを具体的に、迷わず表現できるようにしておきましょう。

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