PowerPointで編集がうまくできないときに確認するポイント

PowerPointで編集がうまくできないときに確認するポイント PowerPointの操作方法

この記事ではPowerPointでスライド、デザインを作っている最中によく遭遇する、うまく編集ができないというパターンとその解決ポイントを解説します。

例えば、スライド内に同じように並んでいるオブジェクトなのに、特定のオブジェクトだけ触れない(選択できない)といったような場面は、PowerPointを使い続けていると割とよく遭遇します。

原因はとてもシンプルで、決して難しくはありません。この記事のポイントを知っておけばすぐに解決できます。

さっそく確認していきましょう。

オブジェクトを触る(選択する)ことができない

上司や同僚など自分以外が作ったデータや、テンプレートを使っているときによく遭遇するのが、スライド上に並んでいるオブジェクトの中にどうしても触ることができない(選択することができない)オブジェクトがあることです。

選択できない

マスターページに配置されている

すべてのページの欄外に共通項目として配置する、ロゴやページ番号などを設定するために、マスターページという機能がありますが、このマスターページに配置されているオブジェクトは通常の画面では選択することができません。

マスターページを開く

マスターページにあるオブジェクトを編集するために、リボンの表示タブから「スライドマスター」を選択して表示させます。

編集が可能に

すると、通常のオブジェクトが非表示になり、マスターページにあるオブジェクトと「プレースホルダー」と呼ばれる仮のテキストボックスのみが表示されます。

オブジェクトの色を変更するなど、ちょっとした編集だけでしたらマスターページ上でしてしまっても構いません。

他のオブジェクトよりも重なり順を上に持っていったり、さらにレイアウトを変更するなどしたい場合には、元の通常スライドへカット&ペーストをして持っていきます。

マスターページ上で、目的のオブジェクトを選択してカット(Ctrl+X)。マスター表示を消して通常の画面に戻りペースト(Ctrl+V)すると、同じ位置で重なり順が一番上の状態で持ってくることができます。

必要に応じてオブジェクトの順序を変更し、レイアウトを変えるなど編集を行ってください。

オブジェクトが入り組んで、下にある図形を選択できない

デザインの作業が佳境に入るとオブジェクト数も多くなり、複雑なグループ化の構造もでき上がり、目的のオブジェクトを選択できない(しにくい)といった状況に陥りがちです。

すべてのオブジェクトには重なり順があるので、目的のオブジェクトの上に邪魔をしているオブジェクトがあるだけであれば、最背面に移動するなりして解決ができます。

ただし、また元の重なり順に戻したりするのも面倒、目的のオブジェクトだけを編集したい場合には、別のアプローチで解決します。

選択の切り替えを使う

ひとつはShiftキーを使った選択で切り替えを行う方法。Shiftキーを押しながらオブジェクトをクリックすることで、複数のオブジェクトを選択することができますが、すでに選択しているオブジェクトをクリックすると、選択が外れるという特性があります。

選択の切り替え

この特性を利用して、目的のオブジェクトを選択することができます。

オブジェクトの選択と表示を使う

しかしながらオブジェクトが多すぎる場合には、今選択しているオブジェクトがどれなのか、一旦動かしてみないと分からないような状況だったり、動かさなくていいオブジェクトまで動かしてしまうなんてこともあるかと思います。

そこで「オブジェクトの選択と表示」を使います。「オブジェクトの選択と表示」はそのページにあるすべてのオブジェクトを、並び順で一覧表示させて見ることのできるリストです。

オブジェクトの選択と表示

ピンポイントでオブジェクトを選択することができ、一時的に表示・非表示を切り替えることができます。

表示と非表示を切り替え当たりを付けながら探すことで、スムーズに目的のオブジェクトにたどり着くことができます。

オブジェクトを編集できない

文字を含むオブジェクトがあり、テキストの内容を変更をしたいができない。

グループ化されているわけではないが、テキストにカーソルを入れることができない場合には、そのオブジェクトのデータ形式を疑ってみてください。

データの形式を確認する

テキストボックスなど、通常のPowerPointオブジェクトであれば文字の上をクリックすることでカーソルが入り、文字を編集することができます。

テキストオブジェクト

しかし、別のスライドから持ってきたデータだったり、外部から取り込んだオブジェクトの場合には、PowerPointオブジェクトではなく図(画像)として配置されていることがあります。

画像オブジェクト

オブジェクトを拡大表示してみると、通常のオブジェクトと違い少し画像がぼやけて見えるかと思います。これは画像として配置されている状態となり、拡大縮小やトリミングなどの編集しかできません。

もし文字を編集したりしたい場合には、コピー元から再度持ってくるか、新たに作り直す必要があります。

グループ化を解除できない

複数の図形などを同時に拡大縮小したり、移動したり、別れてしまわないようにまとめておくことのできるグループ化ですが、いざ解除して個別に編集したくなったときに、解除ができない場面に遭遇することがあります。

二重、三重にグループ化されている

よくあるのがオブジェクトが入れ子状に、複数回グループ化されている状態です。通常であればすぐに気がつくのですが、少し離れた場所にグループ化の対象があったり、大きなオブジェクトの下に小さなオブジェクトが隠れている場合など、入り組んだ状態だと見逃しやすくなります。

そういった場合では、繰り返しグループ化の解除を行うことで、個別のオブジェクトに戻すことができます。グループ化解除のショートカットキーがありますので、覚えて使うと便利です。

グループ化解除のショートカットキー
Shift + Ctrl + G

図形の接合が使われている

グループ化されているわけでも、画像の状態になっているわけでもなく、複数のオブジェクトが一つに固まっている場合が稀にあります。

グループ化されているオブジェクトでは、一度クリックで選択し、もう一度クリックして選択すると、グループ化を解除せずに個別のオブジェクトを選択することができますが、どうしても選択状態が変わらない場合があります。

図形の接合が使われている

図形の接合が使われている場合です。離れたところにある図形でも、図形の接合を使うことによって一つの図形として扱うことができます。

離れたところにあっても接合

グループ化しているように見えますが、一つの図形なので、グループ化を解除して分けることはできません。

接合されたオブジェクトを分ける方法

もし、接合された図形を個別のオブジェクトに分けたい場合には「頂点の編集」を使います。

図形はすべて点とそれを結ぶ線でできており、頂点の編集を使うことで一部分だけ削除することができます。頂点の編集をするには図形の上で右クリック→頂点の編集を選びます。

接合されたオブジェクトを分ける方法

接合された図形を2つに分けたい場合、接合された図形を複製しておき、頂点の編集を使いそれぞれ不要な部分を削除します。黒い頂点の上で右クリック→頂点の削除を選び消していきます。

文字に付いている影が解除できない

PowerPointでは文字に対しても図形に対してでも複数の装飾効果を付けることができます。さらにそのアプローチ方法が複数用意されている場合もあり、解除する場合にも同じ方法をとる必要があります。

よくあるのが文字に対する影が解除できない場面です。もちろん影も含めて画像になっている場合には消すことはできませんが、通常の効果としての影であれば消すことができます。

2パターンの影の付け方

PowerPointで影を付ける方法は2種類あります。影を消すことができないのは、その2種類のアプローチのうち、その影を作ったものではない方のアプローチを使っているためです。

文字の効果で付ける影

ひとつは「文字の影」を使って影を付ける(外す)方法。ホームタブのフォント機能の欄にある「S」のボタンから使うことができます。こちらのパターンで付けた影が大半かもしれません。

文字の効果で付ける影

この方法は書式タブにあるワードアートのスタイル欄からたどることのできる、「文字の効果 → 影」からでも使用することができます。

図形の書式設定で付ける影

もうひとつのアプローチが「図形の書式設定」から影を付ける(外す)方法です。文字を選択した状態で書式タブの図形のスタイル欄、「図形の効果 → 影」から使うことができます。

図形の書式設定で付ける影

これら2つの方法を知っておき、影が解除できない場合にはもう一方の設定方法を確認してみてください。

文字のグラデーション、不透明度の変更ができない

図形や文字の背景オブジェクトに対しては、自由にグラデーションを設定したり、透明度を変更したりすることができます。

設定する項目が無い

しかし、文字自体に使うホームタブのフォント欄、フォントの色ボタンからたどることのできるメニューには、色を設定する機能だけで図形にあるようなグラデーションや不透明度を変更する項目が見当たりません。

書式タブの文字の塗りつぶしを使う

そこで、文字を選択した状態で表示される、ワードアートのスタイル欄にある「文字の塗りつぶし」を使います。

文字の塗りつぶしを使う

すると図形同様、文字に対してもグラデーションや不透明度を使用することができます。

コピペで色が変わってしまう

複数の資料をまとめて一つの資料にまとめるとき、自分以外の資料から使えそうなデザインを持ってくるときなど、コピーアンドペーストでオブジェクトを貼り付けすることがあります。

そういった場合、元の資料にこれから作ろうとしている資料とは別のデザインテーマが設定されている場合に、ペーストした際に文字や図形の色が変わってしまうことがあります。

元の書式を保持してペーストする

色や書式を変えずにペーストする場合には、ペーストしたタイミングで小さく表示される貼り付けオプションのメニューから、「元の書式を保持」を選びます。するとコピー元にあったそのままの色を再現することができます。

元の書式を保持

文字をペーストすると書式が変わってしまう

デザインを作っているときに、文字の書式や色などがバッチリはまり、同じ書式で他の部分も作りたいといったことがあるかと思います。
その文字オブジェクトをコピーして複製し、そこへ文字情報をペーストしていきます。

テキストエディタを経由してペーストする

しかし、コピー元のテキストに別の書式が適用されていた場合、ここでも色や大きさが変わってしまいます。一つ前の項目の通りペーストする際に貼り付けオプションから、「テキストのみ保持」を選択すれば問題ありませんが、毎回繰り返すのも手間です。

そこでおすすめなのが、テキストエディタ経由でのコピーアンドペーストです。一旦テキストエディタを経由することで、文字の書式情報が消え、ペースト先の書式のまま文字の内容のみが変わってくれます。

テキストエディタであれば、文字情報をまとめて置くこともできますし、ショートカットキーを使ってアプリケーションを切り替えての操作ができるため効率的です。

まとめ

自分自身でイチから作り上げたスライドであれば、細部までどのように作ったのかを理解しているため、編集できないといった問題はあまり起こりません。

問題が出やすいのは会社の上司や同僚、取引先の方など自分以外が作ったPowerPointを編集する時です。

PowerPointは機能が豊富で、一人ひとり使い方も様々です。自分ではあまりすることの無い、良くも悪くも癖のあるデータになっていることもあるでしょう。

そんな時には一旦落ち着いて、この記事にあるポイントを思い出してください。きっと解決の糸口が見つかると思います。

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